アメリカの大学院プログラムを探る:ランキングの重要性と限界
アメリカの大学院プログラムを調査する際、最初に参照する資料の一つが大学ランキングです。ランキングはプログラムや大学のレベルを判断する基準として機能するためです。世界には20以上の大学・大学院プログラムランキングが存在しますが、ここでは大学院プログラムを研究する際に役立つ上位4つのランキングについて見ていきましょう。
A. U.S. News & World Report
このランキングの特徴は、主にアメリカ国内の大学と大学院プログラムに焦点を当てていることです。1983年の初回発表以来、毎年ランキングを更新しています。また、学部と大学院プログラムを区別している唯一のランキングでもあります。
- 120以上の専攻分野別にランキングを提供
- ビジネス、法律、医学、工学、看護、教育の主要カテゴリー
- 芸術、健康、図書館情報学、公共政策、科学、社会科学、人文科学などの詳細な専攻分野
このランキングは、ほとんどの専攻分野をカバーしているため、アメリカの大学院志願者にとって最も人気のある参考資料となっています。
B. Quacquarelli Symonds (QS)
QSはイギリスの企業で、世界中の約1,000の大学を分析しています。
- 2010年以降、アジアとグローバルのランキングを発表
- 主に学部レベルに焦点を当てている
- 大学院プログラムはビジネスマスターランキングのみ(ビジネス分析、金融、経営、マーケティング)
- 5つのカテゴリーの下に48の詳細な専攻分野ランキングを提供
QSは、U.S. News & World Reportに含まれていない建築学のランキングも提供しているため、大学の名声よりも専攻分野を重視する志願者にとって魅力的です。
C. Times Higher Education (THE)
THEは、イギリスの日刊紙タイムズが発行する高等教育に関する週刊誌のランキングです。
- 11のカテゴリーの下に35の専攻分野ランキングを提供
- 総合、教育、研究、引用、産業収入、国際的展望など、様々な観点からランキングを分類可能
D. Academic Rankings of World Universities (ARWU)
ARWUランキングは2003年から上海交通大学によって発表されています。
- 主に大学の研究成果に焦点を当てている
- 評価には研究出版物のみを考慮
- 他のランキングと比較して最も客観的と言われている
- 毎年エコノミスト誌で発表される
ランキングの信頼性と限界
これらの大学ランキングにはいくつかの問題点があります:
- QSとTHEは、ヨーロッパの大学が相対的に高くランク付けされる傾向がある
- 大学の規模が評価に大きく影響する(小規模な大学は不利)
重要なのは、プログラムが自分の研究への情熱に合っているかどうかです。博士課程志願者にとっては、指導教官(主任研究者)も重要な要素です。
結論として、大学ランキングは大学を絞り込み、適切な選択をするための参考資料の一つとして活用すべきです。
アメリカの大学院出願のステップについては、今後の記事で詳しく解説していきます。
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